数学ガールを久しぶりに読んでいます。
数学ガールとは、数学を学ぶ高校生たちの学園生活を中心に物語を展開し、その中で数学の入門的知識をわかりやすく説明・証明してくれている本です。数学版ライトノベルという表現がしっくり来る。
中学生の頃は数学がとても好きで、一番得意でした。
そのまま当たり前のように理系に進んで、大学では数学でなく化学の道へ。
留年を重ねて、正直自分は理系に向いてなかったんじゃないかと思いました。理系に進まなければよかったと思いました。
でも純粋に自分の興味のある分野の知識に触れるとやはり楽しい。理系に進んでよかったと思います。
わたしはおそらく、この世界の目に見えないものが好きなんだと思います。極論ですが、この世界に『本当に存在している』と言えるのは、自分の目に映る範囲のものだけだと思っています。(目に映るものが事実なのかどうかはまた別の話になりますが。)
数字も原子も、目には見えない。神様が作った手帳の一部を、わたしたち人間は地道に書き写しているように思えますが、そんな手帳本当は存在しない。
この世界で初めからわたしたちが持っていた道具を使って、それを矛盾がないように慎重に慎重に利用して、目に映らない世界のことを理解したつもりでいる。言ってしまえば想像の域の話だと思うんです。
でも確実に存在している。矛盾がないようにわたしたちが作ったのだから当たり前だけど、それで見えない世界を慈しむことができる。
人の心と似ていると思うんです。
わたしたちには、人の心は見えない。そこに存在しているのに、手に取ることはできない。
でも持っている道具を使って、想像して、予測して、わかったつもりになることはできる。
そういう形で触れることはできる。
それってなんだかとてもロマンチックなことだと思うんです。目に見えないから、形としては触れられないから魅了されて、追い求めて、真実を知りたいと思う。
数字も、原子も、人の心も、みんな似てると思います。
だから好きです。理系に進んでよかった。